皆さんに「遺言書の準備はしていますか?」と聞くと、
「我が家には大した財産がないから大丈夫」
「息子達は皆、仲がいいから大丈夫」
「まだ元気だから、もう少し年をとったら
つくればいい」
と安易な感じで考えている方が多くいらっしゃいます。
遺言書は家族がもめない為に作成しますが、
誤った選択や作り方をすると
かえってもめてしまう事になってしまいます。
今日は「遺言書の種類と選び方」について
2~3分で読める程度に書いていきます。
遺言書を書く意味とは?
ここでは、遺言書を書く意味について考えてみます。
例えば、
「この家を長男に譲りたい」
「介護で世話になった知人にお礼がしたい」
「財産の一部を町の学校に寄付したい」
などの希望があった場合に、遺言書に記載がされていないと
法定相続分通りに財産は分配されてしまいます。
遺言書は残された家族へ自分の想いや意思を伝える手段
として大きな意味があります。
遺言書には3種類の形式がある
遺言書には3種類の形式がありますので、違いを見てみましょう。
①自筆証書遺言
「自筆証書遺言」とは、遺言者が遺言書本文を自ら書いて
作成する遺言書のことです。
②公正証書遺言
「公正証書遺言」とは、公証役場の公証人に作成してもらう
遺言書のことです。
公証人が関与して作成する遺言書なので、確実性が高い形式です。
③秘密証書遺言
「秘密証書遺言」とは、遺言書の内容を秘密にしたまま公開はせずに、
「遺言書が存在する」という事実だけを公証役場で認証してもらえる
遺言書のことです。
実務的には①②が多いので、①②についての比較をしていきます。
「自筆証書遺言」のメリット・デメリット
まず、「自筆証書遺言」のメリット・デメリットについて
見ていきます。
①自筆証書遺言のメリット
・費用がかからない
・手軽に作成をする事が出来る
・法務局で預かってもらえる
・いつでも作成し直す事が出来る
②自筆証書遺言のデメリット
・全文(財産目録を除く)を自筆で書く必要がある
・発見されない場合がある
・紛失してしまう恐れがある
・要件を満たしていない事で無効になる恐れがある
・争いの種になってしまいやすい
・法務局で預かってもらわない場合は「検認」が不要
・隠蔽・破棄・変造されるリスクがある
・遺言者の死亡と遺言の存在は相続人全員に知れてしまう
作成するのは簡単な反面、書き方の要件を満たしていない為に
無効となってしまうケースが多いので、デメリットも多いです。
「公正証書遺言」のメリット・デメリット
次に、「公正証書遺言」のメリット・デメリットについて
見ていきます。
①公正証書遺言のメリット
・公証人が作成に関与する為、無効になりにくい
・「検認」が不要
・公証役場で原本を保管してくれるので、紛失や隠蔽などの リスクがない
・公証人に自宅や病院に出向いてもらい作成することができる
・文字を書けない状態で作成することができる
②公正証書遺言のデメリット
・費用がかかる
・作成に手間がかかる
・証人が2名必要
費用や時間もかかり、公証役場で作成をしてもらう手間等も
かかってしまうのでとても大変ですが、
その分内容に関しては安心出来そうです。
「遺言書」選び方の基準
それぞれにメリット・デメリットがありましたが、
どちらが良いのでしょうか?
①自筆証書遺言を選ぶと良い場合
・費用をかけずに作成したい場合
・なるべく急いで作成したい場合
②公正証書遺言を選ぶと良い場合
・遺言者が高齢となっている場合
・遺言者が自分で遺言を書くことができない場合
・法的に確実な内容の遺言を残したい場合
その時の経済的状況や、時間的余裕
などのよって選び方の基準はそれぞれ 変わってきます。
専門家などに相談をしながら作成をしていきましょう。
まとめ
ポイント ・遺言書を書く意味とは? ・遺言書には3種類の形式がある ・「自筆証書遺言」のメリット・デメリット ・「公正証書遺言」のメリット・デメリット ・「遺言書」選び方の基準
今日は「遺言書の種類と選び方」について
書いてきました。
親が高齢になっていると、
「認知症」の進み具合により
「遺言能力」があるのか、ないのか等
様々な問題が発生します。
「無効」となってしまわない様に
・医師の「診断書」をもらっておく
・公正証書遺言にする
など、医師や弁護士、司法書士など、
専門家の意見も取り入れながら行動する事をおススメします。
最後までお読みいただきましてありがとうございました!