昔、親と住んでいた実家が
現在は親が亡くなってしまい、とりあえず相続をした
あるいは
高齢者施設に入居してしまって戻らない等の理由で
皆さんのご実家は現在「空き家のまま」になっていませんか?
色々な理由がある為だと思いますが、
よく私がお客様から相談や質問をされています。
今日は「親の家が空き家になったら考えるべき問題」
について
元不動産屋の私が書いてみたいと思います。
「この先も誰も住まない家を所有していく」という事
親と住んでいた実家から息子や娘が独立して、
それぞれが家庭を持って新居を構えます。
日本の50代後半以上の方の持ち家世帯率は
75%以上と言われています。
親の空き家を相続するという事は、
「この先も誰も住まない家を所有していく」
という事になります。
先が見えず怖いですね…
空き家を所有する事によって発生する4つの問題点
ここでは、空き家を所有する事によって発生する4つの問題点を
挙げてみたいと思います。
問題点①:近所に迷惑がかかってしまう
誰も住まない「空き家」は、相続した息子、娘世代
の方よりも、物件のご近所さんに多大な迷惑が
掛かってしまいます。
・環境が荒れてしまう
樹木の枝が伸びて隣家に越境している
雑草が生い茂っている
ネズミやイタチがいる
大きなスズメバチの巣がある
・放火の恐怖
タバコの火を投げ込まれる
付け火をされてしまう
・不法投棄の恐怖
粗大ごみを投棄されてしまう
・不審者の侵入
不審者が住み着いてしまう
あなたが逆の立場だったらとても不安ですよね。
問題点②:家屋は住んでいないと劣化が進み、価値が下がっていく
家屋は、人が住まずに締め切っていると
・熱や湿気が室内にこもって木製の部分が傷む
・害虫が繁殖してしまう
・配水管内の水が枯れてしまい臭気が上がって来る
・外壁に亀裂が入り雨漏れしてしまう
と言う理由から、どんどん劣化していき
1~2年空き家にするととても大変です。
その劣化した家屋は、
もともと築年数が20~30年ほど経っているので
大体が昭和56年以前の旧耐震基準の建て方
であったりします。
劣化した旧耐震基準の物件は、評価価値がもともと
低いのに加えて、築年数を追うごとにさらに評価が
低くなってしまいます。
問題点③:放置していると「特定空き家」に認定されてしまう
平成27年に国は増え続ける空き家問題を解消するために
「空き家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特措法)」
を施行したため、
1年以上空き家状態で放置すると「空き家」とみなされ、
1/6の減税措置はなくなり、さらに放置しておくと強制的に
行政によって解体され、高額な費用を請求される事があります。
問題点④:維持管理費もかかり続ける
空き家を維持管理をする費用は、毎年使っても使わなくても
数十万ほど発生します。
・固定資産税
・都市計画税(物件がある地域によって異なる)
・水道光熱費(使わなくても基本料金がかかる)
・管理費・修繕積立金(マンションの場合)
・町内会費
・火災保険
・維持管理費(植栽剪定・家屋修繕他)
空き家は維持するだけでも多額のお金がかかりますね。
将来住む予定なら今からご近所トラブル対策を
空き家が原因でご近所とトラブルになるケースは多いのですが、
そのほとんどはご近所の方と事前にコミュニケーションをしっかりと
とっていれば防げる問題です。
両隣や向かいのお宅などに訪問をして下記のトラブル対策を心掛けましょう。
①現在空き家であることを伝えておく
②自分の連絡先を伝え、何かあったら連絡をもらえる体制を作る
③将来の用途について話しておく
④維持管理をしていく頻度や予定を説明しておく
⑤町内会に入り、町内会費・ゴミ収集場の加盟金などを払う
まとめ
ポイント
・「この先も誰も住まない家を所有していく」という事
・空き家を所有する事によって発生する4つの問題点
・将来住む予定なら今からご近所トラブル対策を
今日は「親の家が空き家になったら考えるべき問題」
について書いてきました。
「空き家のまま」はとてもデメリットが多いです。
一度じっくり考えてみましょう。
一番手っ取り早いのは、
遺品整理をした後に「家屋を売却する」事ですが、
その他の方法等もまた書いていきたいと思います。
最後までお読みいただきましてありがとうございました!