医療・介護

「尊厳死宣言書」を作成すべき理由とは?


最近母が「尊厳死宣言書ってエンディングノートとは

別に作成するべきなの?」と質問をして来ました。

 

今日は、「尊厳死宣言書を作成すべき理由」について、

2~3分で読める程度に書いていきます。

 

 

尊厳死と安楽死の違い

 

まず、「尊厳死」って何?「安楽死」と違うの?

という所から見ていきます。

 

「尊厳死」とは?

過剰な延命措置に頼らず、人としての尊厳を保った状態

で死を迎えることです。

 

「安楽死」とは?

回復の見込みのない病人を苦痛から解放するための人為的

な死のことです。

 

「安楽死」は日本では認められていませんので犯罪行為

となってしまいます。

 

 

なぜ「尊厳死宣言書」が必要なのか?

 

私の祖父は、肝臓がんで闘病の末に亡くなっています。

20年程前の事ですので、その頃はまだ「尊厳死」

という言葉は知りませんでした。

 

祖父はタバコとお酒が大好きな人で、

タバコは入院と同時に辞めましたが

「無理して長生きするよりは死ぬ寸前まで

お酒を楽しみたい!」

が口癖でした。

 

結局、病状が悪化してがんが全身に転移してしまうと

辛い闘病生活になってしまい、

次第に「今夜が峠」から「延命処置で持ち直した」

という状態を繰り返す様になりました。

 

家族の希望で2ヶ月ほど延命処置を繰り返していましたが、

「その頃に『尊厳死宣言書』があったら、祖父はもっと幸せ

だったのか?」など、

未だに思い出してはその時の判断を考えてしまう事もあります。

 

現代は医療がとても発達しているので、

「尊厳死宣言書」を作成することは

 

・元気なうちに自分の要望を伝えておく

・選択を迫られた家族が悩んでしまわない様に

という点でとても有意義であり、不可欠なことです。

 

 

 

尊厳死宣言書(リビングウィル)とは?

 

尊厳死宣言書は「リビング・ウィル」とも言われ、

本人が自らの意思で延命措置を差し控え、または中止して

「尊厳死を望む」という考えを医療関係者や家族らに対して、

まだ本人が元気なうちに作成をする「意思表示する書面」

のことです。

 

日本では尊厳死についての法律がないため、

この文書があってもその通りにに実現される

という保証はありません。

 

 

書面の中で宣言することのできる内容

 

「尊厳死宣言書」は法律で書き方が決まっている訳ではありませんが、

現実に即して次の内容を盛り込む必要があります。

 

① 延命措置の停止

② 苦痛を和らげる処置は最大限利用

③ 植物状態での生命維持措置の停止

 

上記3種類となります。

 

 

「尊厳死宣言書」に書いてあると好ましい内容

ここでは、「尊厳死宣言書」に書いてあると好ましい内容を挙げていきます。

・延命治療を拒否し、尊厳死について家族の同意がある旨

・尊厳死を望む理由と延命治療の拒否

・医師に対して民事・刑事責任を負わせないでほしいという希望

・本人が撤回しない限り、宣言書の効力が持続する旨

・尊厳死を容認した医師に刑事上・民事上の責任を求めないという内容

 

 

 

作成は公正証書にするべき

 

「尊厳死宣言書」は、本人が作成する場合と、

公証人と宣言内容を話し合って作成をする「公正証書」

の場合があります。

 

宣言書の内容の真意や、本当に本人が作成したのかという点

が問題になるケースもあるので、後で問題になりにくい

「公正証書」で作成が良いですね。

 

 

 

まとめ

ポイント

・尊厳死と安楽死の違い

・なぜ「尊厳死宣言書」が必要なのか?

・尊厳死宣言書(リビングウィル)とは?

・書面の中で宣言することのできる内容

・作成は公正証書にするべき

 

今日は「尊厳死宣言書」について書いてきました。

 

エンディングノートにも書くべき欄は存在しますが、

ノート自体をどこかにしまっている場合があり、

おひとりさま」で急遽入院した場合には

せっかく書いた「尊厳死宣言書」を活用する事が出来ません。

 

用紙であった方が病院の先生に見てもらいやすいですよね。

コピーを健康保険証とセットにして持ち歩くなどの

工夫があっても良いのかもしれません。

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました!

 

  • この記事を書いた人

小泉 寿洋

住まいの終活相続アドバイザー/賃貸経営コンサルタント/ 不動産業界歴約18年の経験を活かし、現在は不動産に強い終活の専門家として活動中。 所有資格:終活ガイド上級(1級)・エンディングノート認定講師・終活ガイド検定認定講師・終活カウンセラー1級・宅地建物取引士・遺品整理士・相続診断士・AFP・賃貸不動産経営管理士・他多数

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