住まい

高齢者が賃貸物件を借りる際のコツとは?


 

70歳をとっくに過ぎていて「おひとり様」である私の母親は

現在、地元の静岡で賃貸住宅暮らしをしています。

 

不動産賃貸業界では、70歳を過ぎた高齢者が賃貸住宅を新たに

借りるのはとても難しいという現実があります。

 

今日は、元賃貸業界歴18年超の私が

「高齢者が賃貸物件を借りる際のコツ」について

2~3分で読める程度に書いてみたいと思います。

 

 

 

ひとり暮らしの高齢者が新たに賃貸住宅を借りる理由

 

まず、ひとり暮らしの高齢者が新たに部屋を借りる事

になる理由をみていきましょう。

 

①アパートの老朽化による退去した為

今まで住んでいたアパートが老朽化によって建て替えを

する事になった場合、入居者は「立ち退き」と言って

大家さんから「立ち退き料」をもらって

立ち退く期限日までの退去を迫られます。

 

②住生活をコンパクト化する目的で戸建を売却した為

息子や娘達が独立して、パートナーも亡くなり、自分の足も悪くなって

くると、住居の2階部分も使わなくなり建物は荒れてしまいます。

そうなってくると広い家を売却して、コンパクトに住む事が可能な

賃貸住宅に移り住むケースも出てきます。

 

③今後の資金作りの為


将来高齢者施設に移る為の資金作りとして戸建の売却を

しておく方も多くいらっしゃいます。

 

 

④節税目的で戸建を売却した為

実際に住んでいない「空き家」状態の家屋であっても、

毎年の固定資産税を納税しなければなりません。

こうした固定資産税などを節税する目的で

戸建の売却をする方もいらっしゃいます。

 

 

 

大家さんが感じる「高齢者へ部屋を貸す事のメリット・デメリット」

 

賃貸物件の大家さんは「高齢者にお部屋を貸すこと」に

どの様なメリット・デメリットがあるのでしょうか?

 

高齢者にお部屋を貸す事のメリット

まず、貸す事のメリットから見ていきましょう。

①高齢者は住み始めると長期間住んでくれる

高齢者は容易に部屋を借りる事が出来ない為、

一度住み始めると長期間住んでくれます。

 

②駅から遠い不便な立地やバス便の立地でもOK

電車通勤などをする必要がない為、若い方に不人気の駅から遠い物件

やバスを利用する立地であっても問題ありません。

 

③若い方に不人気な「1階部分」が高齢者には人気

若い方には「1階部分」は人気がありませんが、

高齢者は足腰が不自由な方や階段の登り降りをしたくない方が多い為、

高齢者には人気です。

 

④若い方に不人気な「和室」のままでも高齢者はOK

若い方には「和室」が不人気で「フローリング」などに

リフォームをしていく必要がある物件でも、

高齢者はむしろ和室を好む為、そのままで貸し出す事が出来ます。

 

⑤規則正しい生活を送ってくれる

高齢者の方は夜中に友人を招いて騒いだり、

近隣などから騒音などでクレームが来ることも少なく

規則正しい生活を送ってくれます。

 

 

高齢者にお部屋を貸す事のデメリット 

次に、貸す事のデメリットも見ていきましょう。

①孤独死への不安

高齢になって来ると外部との接触も減る為に

「孤独死」のリスクが高まります。

 

②健康面への不安

若い頃と比較して健康面も不安な材料が増えてきます。

 

③認知症が始まった場合の不安

認知症が始まった時の生活や火災などの事故への

不安が高まります。

 

④家賃滞納への不安

「年金暮らしになって家賃を滞納しないか?」

連帯保証人も高齢になっていて

滞納した場合の家賃回収にも不安が高まります。

 

 

「メリット」・「デメリット」どちらも多くありますが、

年々少子高齢化が進んでいるので

大家さんとしては「デメリット」ばかり言っていられない

世の中になってきました。

 

 

高齢者が賃貸物件を借りる際のコツ

 

それでは、高齢者が賃貸物件を借りるには

どの様な事に気をつけていけば良いのでしょうか?

借りる際のコツなどを挙げてみます。

 

①健康であることをアピールする

健康である・足腰はしっかりしているなどを面談などで

アピールし、家族などからも説明をしましょう。

 

②金銭面での安心材料をアピールする

毎月の年金収入や、貯金が充分にある事を証拠書面で示し、

滞納リスクが低いという説明をします。

 

③身近な場所に家族がいることをアピールする

近所に家族が住んでいて毎週の様に会っている為、

何かあった場合はすぐに物件に駆け付ける事が可能という事を

説明すると大家さんに安心感を与える事が出来ます。

 

④サポート体制もしっかりしていることをアピールする

高齢者用サービスなども頻繁に利用するので安心だという

「サポート体制」などをアピールします。

 

⑤家賃保証制度を利用する

「高齢者住宅財団」や管理会社指定の「家賃保証会社」

などを利用した家賃債務保証制度を利用する説明を

しておくと家賃滞納リスクが減り、話がスムーズです。

 

⑥安否確認サービスを使う

本人、もしくは管理会社が指定する「安否確認サービス」を

利用して、入居者に異常があった場合に即現地に駆け付ける事

が出来るという説明をします。

 

⑦「高齢者が入居可能な物件」をポータルサイトで探す


「セーフティーネット住宅物件検索サイト」や賃貸住宅ポータルサイトの

「シニア相談可」物件で探してみましょう。

 

あらかじめ高齢者が住む事を想定して貸し出す物件を

予めインターネットでピックアップしておくと、不動産会社に断られる数を

減らす事が出来ます。

 

 

 

まとめ

ポイント

・70歳以上の高齢者は賃貸物件がとても借りにくい

・高齢者に部屋を貸すにはメリット・デメリットがある

・高齢者が賃貸物件を借りる際のコツを学んでおく

 

年齢が進むごとにお部屋はとても借りにくくなって

しまうので引越しは早めの方が良いです。

 

特に、現在老朽化している物件に住んでいる場合には、

「立ち退き」は高い確率で突然やってきます。

 

近年、高齢者に貸す際の残置物処分に関する特約の参考例や

貸す為のガイドラインなどが出来、以前よりは前向きになってきています。

もっと高齢者が物件を借りやすい世の中になると良いですね。

 

「不動産の終活」はなるべく早めにやりましょう。

実家にいるお父様、お母様にも教えてあげて下さいね!

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました!

  • この記事を書いた人

小泉 寿洋

住まいの終活相続アドバイザー/賃貸経営コンサルタント/ 不動産業界歴約18年の経験を活かし、現在は不動産に強い終活の専門家として活動中。 所有資格:終活ガイド上級(1級)・エンディングノート認定講師・終活ガイド検定認定講師・終活カウンセラー1級・宅地建物取引士・遺品整理士・相続診断士・AFP・賃貸不動産経営管理士・他多数

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