「エンディングノートを書いてみたいけど、具体的にどうやって書いたら
良いのかわからない」という質問をよく受けます。
今日はエンディングノートの書き方と記載しておくべき項目やポイント
をまとめてみました。
この記事を書いている私は
終活カウンセラー&遺品整理士&FP&宅地建物取引士です。
エンディングノートとは?
エンディングノートとは何?
エンディングノートとは、自分が亡くなった時に、家族が様々な判断や
手続きを進める際に必要な情報を前もって記録しておくという
終活の一環として作成するノートの事です。
遺言書や遺書とのちがい
【遺言書】
財産分与の方法等を生前に取り決め、
その意思を法律に従って書面に残したものです。
【遺書】
法的な効力はありませんので、死を前提に自分の
気持ちを残された家族や関係者へ記したメッセージの事。
遺産の事については書きません。
【エンディングノート】
記録的な要素が強く、法的効力はありません
いつから書くべき?
エンディングノートには「いつから書くべき」という決まり
はありません。
最近は20代、30代の若い世代でも書く人が増えてきています。
大事な点としては、定期的に内容を更新して行くという事です。
エンディングノートを書くメリット
エンディングノートを書くことによって、残された家族は
様々な決め事や手続きをスムーズに進めていく事が出来ます。
メリットは大きく分けて4つあります。
①残された家族が困らない様に情報を整理して伝える事が出来る
②残された家族に思いを託すことが出来る
③自分の人生の最後をどう迎えるのか、これまでの自分の歴史を
振り返る事が出来る
④残りの人生をどのように歩んでいくのかという人生設計をし直す
機会が出来る
エンディングノートを.書くべき項目や入手法
エンディングノートに書くべき項目
書く内容は自由ですが、自分が将来、何らかの理由で突然死亡
してしまった場合を想定して自分しか知らない情報を細かく
書き残しておくと残された家族は慌てる事無くとても助かります。
1.自分の事について
個人情報的な事を書いていきます。この時、趣味や特技等も
記載しておくと自分の歴史等を振り返りやすくなります。
・名前
・生年月日
・血液型
・本籍地
・運転免許証の情報
・健康保険証の情報
・パスポートの情報
・住民票コード
・マイナンバー
・年金手帳の情報
・趣味
・特技
・好きな食べ物
2.スマートフォン・インターネット関連
意外と遺品整理の現場で出くわすのがこのスマホとパソコン
関係です。
生前から自身でもよく把握していなかったりしてどこにも
記載していないケースが多いと思います。
よくわからないから困ったという残されたご家族の声を
よく聞きます。
・携帯電話のロック解除パスワード
・携帯電話の電話番号・メールアドレス
・パソコンのログインパスワード
・パソコンのプロバイダ名
・パソコンのメールアドレス
・SNS(facebook、Instagram、Twitter)等のアカウントのID、
パスワード、今後の処理希望があれば記載
・課金が発生しているネットサービスのサイト名、アカウント
やID、パスワードの情報、解約方法
・ホームページ用ID、課金が発生しているか、解約の方法等
3.その他契約について
引き落としになっていなかったり不定期だったりすると
残された家族は見つけるのに苦労してしまいます。
・サークルや習い事
・定期的に会費を払っているもの
・駐車場
・スポーツジム等
・保有している資格に関して入会している協会等の団体への会費
4.親戚・知人・友人の連絡先などについて
残された電話帳等だけではどの親族なのかわかりませんので
必ず親族一覧表は作成しておいた方が良いです。
・現在の家族や自身の親や兄弟の続柄、住所・電話番号
・同居していない家族や養子の有無など
・相続の際に使用する親族一覧表
・訃報を知らせたい人の名前、住所、電話番号
5.友人・知人について
連絡をして欲しい人・連絡をして欲しくない人、
色々いると思いますのでどういった関係の人なのかも
わかる様にしっかりまとめておきましょう。
・友人や職場の同僚の連絡先
・自分の葬儀に参列してほしい人
・連絡をしてほしくない人
・趣味の会の連絡先
・同窓会の連絡先
6.ペットについて
我が家でも数年前まで犬を飼っていましたが、
残された家族が全員ペットを愛してくれるかはわかりません。
ペットを愛しているのであれば細かく記録をしておきましょう。
・ペットの名前
・ペットの年齢
・ペットの性格
・好きな食べ物
・ペットの好きな事
・加入しているペット保険
・かかりつけの病院
・お気に入りのおもちゃ
・お気に入りのおやつ
・自分の死後どの様にして欲しいか
7.資産や支払い等について
資産や支払い関係は正しく具体的に記載して残された家族にも
わかる様にしておきましょう。
預貯金
・銀行名や口座番号、通帳や印鑑、キャッシュカードの保管場所
・ネットバンキングの銀行名・ID
支払い
・水道・電気・ガス等の公共料金(契約会社名、支払方法)
・携帯電話(契約会社名・契約者名・支払方法)
・クレジットカードなどの自動引き落としの情報
資産
・保有している株、有価証券等に関する事(ネット証券のID等)
・不動産に関する事(所在地・名義・用途)
・骨董品や貴金属などの資産価値のある物
・資産価値のない物の形見分け方法について
・貸金庫やトランクルームなどの有無
・貸しているお金 (名前、連絡先、金額)
借入金・ローン
・借入先の名称、返済方法、担保の有無など
・借金の保証人などの保証債務(名前、連絡先、金額)
電子マネーやポイントカード
・電子マネーの有無・アカウントやID、パスワードの情報
・ポイントカードの有無・アカウントやID、パスワードの情報
年金
・公的年金に関する情報(基礎年金番号・加入した年金の種類など)
・私的年金に関する情報(企業年金や個人年金などの私的年金の加入
の有無・種類や名称等)
保険
・生命保険(加入している保険会社名、保険証券の保管場所、保険の種類、受取人等)
・医療保険(加入している保険会社名、保険証券の保管場所、保険の種類、受取人等)
・火災保険、地震保険(加入している保険会社名・保険証券の保管場所等)
・自動車保険(加入している保険会社名・保険証券の保管場所等)
8.介護・医療について
ある日突然意識不明に…となった時でもわかる様にしておくと
家族も安心ですね。
病院やお薬
・かかりつけの病院や薬局の名称・電話番号
・常用している薬
・持病やアレルギーの有無
告知・延命処置
・重病を患った際の治療方針を決める人
・病名の告知について
・回復が見込めない場合の延命措置について
・臓器提供や献体登録の有無
介護
・介護希望の有無
・希望する介護施設や内容
・介護内容の方針を決める人の希望
・認知症になったらどうしてほしいか
・介護にかかる費用を誰に出して欲しいと考えているか
・介護をお願いしたい人(配偶者・介護ヘルパー・親族等)
・介護する人に伝えておきたい事
9.葬儀・お墓について
ある日突然葬儀になった場合、残された家族は
葬儀のスタイルや内容等を時間をかけて考える余裕はありません。
エンディングノートでは自身の意思を伝えておく事が出来るので
「こんな規模で、こんな内容で・・・」
という事を色々と調べて
具体的に記載してあげるととても助かると思います。
葬儀
・互助会等加入の有無・名称と連絡先
・菩提寺の有無・名前や連絡先
・信仰している宗教、宗派
・喪主になって欲しい人の希望
・葬儀に呼んで欲しい人の希望(名前、住所・連絡先・間柄)
・遺影につかって欲しい写真・保管場所
・葬儀費用の負担
・希望する葬儀の規模や内容(一般葬・家族葬・火葬のみなど)
・納棺の時に一緒に入れて欲しい物
お墓
・契約しているお墓の所在地や連絡先、墓地の使用権者
・希望する納骨方法(一般墓・集合墓・納骨堂・自然葬・樹木葬・散骨など)
・お墓を継承して欲しい人
10.遺言書の有無について
エンディングノートは遺言書ではありませんので、作成の有無や種類等
の情報を記載してあげると良いです。
遺言書
・遺言書を作成しているかいないか
・保管場所と種類(自筆証書、公正証書、秘密証書)
・作成時に相談した専門家の連絡先
相続
・誰に何を相続させたいかの希望
(エンディングノートに法的効力はありません)
11.その他伝えておきたいお礼やメッセージ等
文章は何度も書き直せますので、日頃照れくさくてなかなか言えない
様な、ご家族へのお礼の言葉やメッセージ等を思いついた時に
記載しておきましょう。
エンディングノートをどうやって手に入れる?
いきなり分厚くて高価なノートを購入してしまうと
やる気がうせてしまい、長続きしません。
まずは無料や安い物・薄い物から始めてみるのがおすすめです。
・書店
・文具店
・アマゾンなどのネットショップ
・100円ショップ
・保険会社や葬儀社、自治体、等のHPから無料配布版をダウンロード
・スマートフォン
エンディングノートを書くためのコツやポイント
注意ポイント
・空欄があっても気にせずに書きやすい項目から書いていく
書ける所から書き始めてOKです。焦らずに空欄になってしまう
所は飛ばしましょう。
・今の気持ちをとりあえず書き、定期的に見直して書き直していく
書くタイミングによって内容が変わってくる箇所もありますが、
気にせず今の気持ちを書いてみて、修正したい場合は後日修正
しましょう。
・エンディングノートの存在と、保管場所を家族に知らせておく
プライベートな事が書かれているので、誰にでもわかる様な所で
はなく、家族のみわかる場所に保管して知らせておきましょう。
・重要書類の保管場所や暗証番号等を記載しない
暗証番号がわからなくても相続人等の家族であれば手続きをする
方法があります。エンディングノートと暗証番号やパスワード
等は別の場所に保管しましょう。
・家族と相談しながら書く
家族がどんな情報を聞きたいのかという事を話をしているうちに
出てくると思いますので相談してみるのも良い方法です。
・終活セミナーに参加する
不動産会社や保険会社が行っている営業目的の無料セミナーではなく、
終活を目的とした「エンディングノートの作り方講座」等を有料で
受講した方が実際には役に立ちます。
・終活のプロに相談する
終活カウンセラー等の終活の専門家に相談するという方法もあります。
エンディングノート以外にも保険や不動産、葬儀やお墓の事等、色々
と相談する事が出来ます。
まとめ
エンディングノートは「死んでしまった時の為のノート」ではなく、
『より良く死を迎える為の前向きなノート』です。
『自分らしい終焉を迎えるために何をすべきなのか』という事を
頭に入れながら今後の人生設計の為にエンディングノートを
活用してみしょう!